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Vol.20 リサイクル100%の印刷用紙が、もうすぐ姿を消します。 2007年06月29日 10:38

古紙100%あなたの会社は、印刷物の用紙に古紙を使っていますか?

温暖化、ゴミ問題、熱帯雨林減少…
環境問題が地球規模のミッションとなっている現代、

印刷物に古紙100%で大豆インキを使用するのは

「リデュース(減量)」「リユース(再使用)」「リサイクル(再生利用)」

3Rの取り組みを、もっともわかりやすくアピールできますから
コンプライアンスを重視する企業にとって
ある意味、当たり前になっているかもしれませんね。

さて、そんな古紙100%の印刷用紙が
市場から消えてしまうというショッキングなニュースをご存知ですか?

大手製紙メーカーがこのほど次々に
今年の秋(2007年)頃をもって古紙100%の生産中止すると表明したのです。

「時代に逆行してるんじゃないの」
「環境のためには100%でなきゃ」
「罰当たりな…」などと憂うなかれ。
実は、古紙100%のほうが逆に環境負荷を高めているというのです。

どういうことでしょうか?
まず、古紙をリサイクルして使用するときに
「漂白」という過程があります。
印刷インキの乗った紙をもう一度溶かして再生するのですから
ある程度黒くなってしまうのは当たり前ですよね。
しかし印刷紙としては、色のついた紙は使えないから
大量の漂白剤を使ってもう一度白くするわけです。
再生による品質過程を防ぐために使われる薬品が
かえって環境に悪影響を与えているのです。

さらに古紙の利用増加に伴って
中国向けなどに古紙価格が急騰し
集荷が難しくなっているという状況もあり
メーカーはやむなく生産中止を決めたというわけです。

「じゃあ、これからは紙のリサイクルはなくなるの?」
いえいえ、そうではありません。
今後は古紙とバージンパルプをバランスよく配合することで
最も環境負荷の小さいものに移行していくそうです。
各メーカーでは古紙を20〜70%程度の含有に抑えて
残りをCO2排出抑制のために
認証林、植木林、廃材等を無塩素漂白したバージンパルプにした
「ミックス品」へ切り替えていきつつあります。


「今、自分たちが環境に対してできる最善のこと」を選択した結果
これからは「古紙70%」は主流になっていくということです。
ねがわくば
理由をきちんと理解することなく
「100%から70%へ」という事実だけに反応した企業が
現存の100%古紙に殺到して価格急上昇…なんて言う事態に
ならないことを祈るばかりです。