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「製薬企業」のDTCはもっと面白くなりそうだ。

こんにちは。コピーライターYです。

今回のテーマは製薬会社のDTCということですが
そもそもDTCとは何なのか…
知ってる人はすみませんがスルーしてください。

DTCとはDirect To Consumerの略。
「医療用医薬品」に関する情報を
一般消費者に直接提供するプロモーションのことをいいます。

「え?日本では医療用医薬品の広告は認められていないのでは?」

いえいえ…
実際に禁止されているのは「製品名」そのものを広告に掲載すること。
「疾患名」と「企業名」を出すのは大丈夫なのです。

つまり「あなたは、こんな病気に悩んでいませんか?
病院へいけば解決しますよ。●●●薬品より。」というのはOK。

例えば、お笑いタレントを使って大々的にCM展開されている
「薄毛治療薬」が最近の例です。
「水虫薬」や「ED治療薬」も、記憶に新しいですね。

また病院へ行けば、待合室のラックなどに
いろいろな「病気に関するパンフレット」が置いてあります。
あれも、よく見れば、薬の名前は一切出ていません。

このように、患者さんが医療機関へ足を向けるきっかけとなり、
もっと上手くいけば「●●薬品の薬を処方して」と医師にお願いしてくれるかも…という、
切ない願いを込めて展開されているのが日本におけるDTC。

別名「疾患啓蒙広告」もしくは「疾患啓発広告」と呼ばれています。

さて、かくいう私も現在、
某製薬会社のED疾患啓蒙を目的とした情報誌を制作しています。

当社は決して製薬情報に特化した制作会社ではないのですが、

DTCにおいて求められるのは
「薬に関する専門知識を、一般消費者に伝える」こと。

「誰でもわかるように伝える」
「興味を持つように面白く伝える」ことが重要であり、
そのためには、これまでの既成の枠に
はまらないコンテンツを発信しなければならないというところで
重宝されているようです。

情報誌の内容も、疾患や薬品には殆ど触れることなく
「旅行情報」「料理情報」「健康情報」「著名人インタビュー」などが中心。
まあ、そんな読み物コンテンツの中に、さり気なく
こっそりと「疾患情報」を潜ませてあるのですが…。ふふふ。

とにかく一般企業では考えられないほど
製品名をアピールしないこの情報誌が、どれほど薬品の販売に貢献しているのか?

そのあたりを、もっと数値化して
プロモーション的に有効であることを証明できれば
他製品、他社への営業展開もできると思うのですが
正直なところまだまだです。

私個人が考える日本におけるDTCは
「製品名」を出すことができない以上
かなり「多角的」に行う必要があると思います。
(いや、やってる会社はやってると思いますのであしからず…)

簡単に言えば…

  1. 「マス媒体を使って、印象的な疾患啓蒙をする→認知促進」
  2. 「情報誌やパンフレットなどの印刷ツールを使って具体的な情報を発信する→明確な認識促進&ウェブへの誘導」
  3. 「ウェブを使って、さらに詳細な情報を発信する→来院促進」
  4. 「病院ポスター等の“タッチポイントコミュニケーション"によってダメ押し→製薬会社選択へ」

この1~4を、統一したイメージで、タイミングがズレることなく、行うことが
製薬会社のプロモーションを有効にしてゆくのではないかと思います。
特に重要だと思うのが
1~3までのプロモーションを4につなげること。
4、つまり病院内でのタッチポイントコミュニケーションは
一般商品で言えばつまり「店頭コミュニケーション」ということです。
いわゆるセールスプロモーションの世界では
消費者の購買行動の約90%が「店頭で決める」というデータがあり
店頭、インストアマーケットにおけるプロモーションが売り上げを決める勝負だと言われています。

病院を訪れる人は、すでに目的を決めているので
一般商品と製薬業界ではもちろんイコールではないのはもちろんです。

けれど
「EDの治療薬をもらおう」と何となく病院を訪れた人が
病院内におけるタッチポイント演出によって
「●●製薬のED治療薬にしよう」と思うことはあり得ます。

また他の疾患で病院を訪れた人を
「先生、実はEDのお薬も…」と相談へと導くのも
やはり病院内でのポスターやパンフレットなのです。

現在、製薬会社において1~3までは力が入っているけれど、4に関しては
担当のMRと医師のコミュニケーションに任せている…という状況が多いようです。

しかしこれからは
マス広告をタッチポイントへとスムーズにつなげていく
もっと総合的な、同時にもっときめ細やかなプロモーションが
疾患啓蒙を確実に売り上げに結びつけるのではないかと思うのです。


政府の医療政策によって
後発医薬品(いわゆるジェネリック医薬品)が治療の現場に
台頭しつつあるなど製薬会社の立ち位置も、微妙に変わりつつあります。

現在の規制だらけの社会で
製薬会社のDTCは、どのような挑戦ができるのか。

まだまだ、さまざまな可能性が潜んでいるのではないかと
少しだけワクワクしています。

<本日の注目>

ブログの筆者が「いま、これがスゴイ!」と感じるモノを勝手にセレクトして紹介します。

「見知らぬ場所」ジュンパ・ラヒリ  文藝春秋
名作「その名にちなんで」から、約5年。ついにジュンパ・ラヒリの新刊が出ました!もともと翻訳文学が好きなのですが、ラヒリはアン・タイラー、サラ・パレツキーとならび、私の海外作家ベスト3に入る作家です。(読書傾向バレバレですな。)大河ドラマの読み応えがあった前作とは違い、今回は短編集なのですが、主人公はすべてベンガル系のアメリカ人。アメリカとインドという異文化の、どちらにも共感を持ち、どらにも違和感を持つ…微妙な立ち位置の中で暮らす人々を描いています。ドラマチックなロマンスや事件は起こらない、どちらかというと淡々と流れている物語なのに、読後感は切なく胸を締め付けられるのはなぜでしょう。「人間ってすばらしい」ああ、あまりにも陳腐な台詞しか、今は思いつきません。
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