PUR製本とは

PUR系ホットメルト接着剤を使用した製本方法を「PUR製本」と呼びます。
接着強度の高いポリウレタン樹脂をベースにした接着剤で、建築用パネルや自動車の内装材などの分野では広く使われてきましたが、近年、製本用の接着剤として使われるようになりました。
PURホットメルト接着剤は、加熱・溶解後に冷えて固った後、空気と紙の中に含まれる水分と化学反応を起こし、よりいっそう強固に固まります。そのため、従来のEVA系ホットメルト接着剤に比べて、接着性が高く、ノド元までよく開く本や丈夫で長持ちする本を作ることができます。
また、耐寒・耐熱性や環境対応にも優れていることから、特にヨーロッパでは普及が進んでいる製本方法です。
※PURとは「PolyUrethane Reactive Hot Melt adhesives」(ポリウレタン系反応性ホットメルト)の略称です。
PUR製本の3つのメリット
【1】柔軟性があるので、ページが開きやすい

- 見開きが良い
- EVA系ホットメルト接着剤に比べ、強固な接着力があるので薄く塗布することができ、開きの良い本を作ることができます。写真集などの見開きのレイアウトの印刷物には最適です。

- 柔軟性があります
- 柔軟性もあるのでページ数の多いカタログや論文なども手で押さえることなくハンドフリーで読むことができる本が作れます。

【2】丈夫で長持ちします
- 強固な接着性があります
- ノド元まで絵柄があるとEVA系ホットメルト接着剤では、インクと反応して糊つきが悪くページが抜けてしまったり、シワが発生する恐れがあります。
PUR系ホットメルト接着剤では、図鑑や写真集などの見開きレイアウトのページがあっても問題ありません。

- 耐熱・耐寒性に優れています
- −30〜120℃まで問題なく使うことができ、耐熱・耐寒性の面でも優れています。
従来のEVA系ホットメルト製本に比べ、紙の引き抜けや割れなどのトラブルも減少できます。
また、紫外線や湿度にも耐性があるので、長期で保管される本には最適です。

【3】環境にやさしい製本方法です
- 古紙リサイクル適性
- 接着材が、加熱しても溶け出さないため、パルプ(紙の原料)とほぼ完全に分離することができるので、リサイクル適性の高い製本方法です。
ほぼ100%(EVA系は70%と言われています)が取り除かれ、紙に残って斑点になるなどの問題が起こりません。 PUR製本は、日本印刷産業連合会の古紙リサイクル適性ランクリストでAランクに分類されています。

- 省資源・省エネルギー
- EVA系ホットメルト接着剤に比べ、塗布量が1/2~1/3と少なくてすみ、同等の接着力を得られます。また、低温で接着できるので省資源・省エネルギーです。
エコロジーペーパーと合わせて、環境に配慮した製品であることをアピールしたい本にも最適です。

EVA系ホットメルト製本との比較
<背幅のある冊子>
- PUR系ホットメルト接着剤
-
- EVA系ホットメルト接着剤
<ページの開き具合>
- PUR系ホットメルト接着剤
- EVA系ホットメルト接着剤
PUR製本に向いている冊子
PUR製本の製本サンプルを制作しました
-
通常のEVA系ホットメルト接着剤を使った無線とじと比較するために、PUR製本の製本サンプルを作成しました。
外観は、ほとんど従来の無線とじと変わらないですが、ページを開いた時の見開きの良さ、背表紙の柔軟性、強度をご確認いただけます。
よくあるA4の写真集タイプ、薄紙を使用したA5ヨコタイプ、厚紙を使用した絵本タイプの3種類を作成しました。
写真集タイプ(A4タテ)
本文:コート紙70.5kg
写真集タイプ(A5ヨコ)
本文:コート紙44.5kg
絵本タイプ(A5ヨコ)
本文:厚紙26.5kg
PUR製本の注意点
- ※ 従来の無線綴じと同様、10部程度の小ロットから承ります。
- ※ EVA系ホットメルト製本より納期が+1日かかります。
- ※ 背表紙に対して、垂直方向の引っぱりには強度がありますが、
故意にちぎるような動きには弱い傾向にあります。

- 自動無線綴じ機/BQ-470(ホリゾン)
-
<製本サイズ>
最大:天地 320mm× 小口 320mm
最小:天地 145mm× 小口 105mm
<製本の厚さ> 1〜65 mm

- PUR-430(三菱製紙)
-
<製本サイズ>
最大:ともにA3タテ・ヨコ(420mm×297mm)サイズまで
最小:天地 120mm× 小口 150mm
<製本の厚さ> 2〜25 mm
まずはご要望をお聞かせください。 折り返し、2営業日以内に担当者よりご連絡いたします。
以下のような場合のご依頼にはお応えしかねる場合もございます。何卒ご了承ください。
- 個人のお客様(自費出版を除く)
- お急ぎでのお見積り依頼
- 仕様(サイズ・数量・用紙・カラー/モノクロ指定・製本方法・加工)について明記のない依頼
- 印刷物もしくは用紙を持ち込んでのご依頼は、原則としてお断りしております。


営業スタッフ訪問エリア:大阪・京都・神戸・東京23区(スタッフの人員に限りがあり、必ずしもご期待に添えない場合もございます。)また、個人のお客様からのお問い合わせは自費出版を除いてはお断りすることがございます。(自費出版サイトはこちらから)
その他の地域でも、電話・メールによるご連絡で完結できる場合は、上記のエリア以外でも対応できることもございます。
詳しくはお問合せください。