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春酒介寿
鯰田大造遺稿集
【発行日】 2003年6月21日
【編 集】 鯰田 陽子
【発 行】 鯰田 義明
【印刷・製本】 あさひ高速印刷株式会社 | 無線綴じ
【サイズ・頁数】 127×188mm | 312頁
平成13年9月に亡くなった鯰田大造さんの一人息子義明さんは、大造さんが遺した原稿「我が人生録」と題した生い立ちや妻の介護日誌、息子夫婦に宛てた遺言や老後の雑感などをまとめ、生前父が望んでいたであろう自分史の出版を実現させようと、意思を引継ぎ6月に遺稿集を自費出版した。
妻の陽子さんと作業にかかり、読売新聞記者時代の昭和33年から34年にかけて20回連載されたソ連崩壊以前の貴重な東欧特派員レポートを図書館で探すことから始め、古い写真や日記の整理、数回に及ぶ原稿の校正作業など全てが初めての経験。故人の足跡をたどり、それを形に遺すことは「父親というものを再認識でする作業でもあった」。
腕白だった子供時代、音楽家の夢が破れ、ダラカン学生だった予科時代、学徒出陣で入隊し死と隣り合わせだった海軍航空隊時代、激動の昭和史の中にも古きよき時代が読み取れる。読売新聞に連載された東欧特派員レポートは100ページに及び、民主化前のハンガリーなど東欧5カ国の生の情報が興味深い。
また、56歳という若さで亡くなった「妻・美津子の闘病と死」には詳しい病状と共に一喜一憂する心情が記され心に響く。鯰田大造遺稿集は単なる自分史にとどまらない内容の1冊となった。
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